節水型シャワーヘッドを選ぶなら自宅の混合栓に逆止弁が付いているか事前確認しよう

節水型シャワーヘッドを選ぶなら自宅の混合栓に逆止弁が付いているか事前確認しよう

夏場の渇水対策だけではなく、日常生活で節水を心掛けるためにもシャワーヘッド交換を行うだけで節水出来るなら喜ばしいことです。しかし、自宅の給水設備について事前確認をしなければ、場合により給湯設備を壊してしまうことがあります。

では、どのような点に注意してシャワーヘッド選びを行えば良いのでしょうか。

一時停止ボタン付きのシャワーヘッドは逆止弁付きの水栓にしかつけられない

節水型シャワーヘッドには、一時停止ボタンが付いているタイプが多く、シャワーを出しっぱなしにしないことで節水効果を高める狙いがあります。

しかし、一時停止ボタン付きのシャワーヘッドが元々付いていたならば問題ありませんが、シンプルなシャワーヘッドからの交換時には混合水栓に逆止弁が付いているか確認しなければなりません。なぜなら、シャワーヘッド部分で一時停止を行うと、混合水栓内部で逆流が発生する可能性があるからです。

水圧が異なる2つの水道管を繋いだ場合、水圧が高い方から低い方へ逆流が起きます。具体的には、混合水栓の場合にシャワーとカランの切り替えが付いていても、全部を止めるスイッチが付いていない状態なら逆止弁が付いていない可能性を疑わなければなりません。混合水栓は壁内部を通った給湯器からの温水と水道管から分岐した真水を混合水栓で混ぜて適温にしてシャワーヘッドに供給しています。

蛇口を全開にすれば分かるように水道の水圧は給湯器を通した温水よりも遥かに高い水圧となっているので、あくまでも蛇口をひねった割合で水圧を調整して使っているに過ぎません。

シャワーヘッドを使って適温のお湯を出している状態では、温水と真水に加えてシャワーヘッドから出る水の水圧が全て等しくなるので何ら問題はありません。しかし、シャワーヘッド部分で一時停止すると混合水栓の裏側で温水と真水の水道管が繋がってしまうので、逆止弁が無ければ真水が温水方向へ水圧の差により入り込み逆流現象が発生します。

給湯器へ真水が逆流して入り込むと、水道水を加熱して給湯するタイプの給湯器は逆流を想定していないので破損しかねません。このため、逆止弁が付いていない混合水栓にはシャワーヘッドとして一時停止機能付きタイプは選択出来ないわけです。

逆止弁が付いていない混合水栓を見分けよう

逆止弁を付けずにシャワーヘッドを交換すると、タイプ次第では給湯器が破損するリスクがあることが分かりました。では、逆止弁が付いていない混合水栓にはどのような特徴があるのでしょうか。最もシンプルな見分け方として次の2点を確認してみると良いでしょう。

  1. 混合水栓にサーモスタット温度調整機能がついていれば逆止弁が有り
  2. 温度調整を温水と真水の開き具合で手動調整するタイプで、カランとシャワーを切り替えるレバーに「止水」表示が無ければ逆止弁無し

混合水栓に具体的に40度といったレバー付きメモリがあれば、サーモスタット機能付きで逆止弁が付いた混合水栓だと簡単に判別出来ます。また、温度調整機能は付いていないとしても、カランとシャワーを切り替えるレバーに「止水」表示があって実際に給湯を止められるならば逆止弁が付いていると判別可能です。

シャワーヘッド交換時に注意しなければならないのは、「止水」表示無しの切り替えレバーが付いている場合であって、逆止弁が無いために給湯器への逆流をしないよう普段から水圧に注意しなければなりません。

節水型シャワーヘッドにも水圧次第で逆止弁が必要

では、シャワーヘッド交換時に止水スイッチが付いていないタイプならば逆止弁の確認が不要かといえば、実際には節水型シャワーヘッドについても確認が必要です。なぜなら、混合水栓で逆止弁無しにて問題なく使用出来るのは、あくまでもシャワーヘッド部分で水圧が開放される場合に限られます。

混合水栓部分で強い水圧が掛かっている状態となりやすい節水型シャワーヘッドでは、温水と真水の蛇口ひねり具合が少なければ問題は起きにくいですが、思い切り蛇口をひねると止水スイッチに近い状態となりかねません。

なぜなら、節水型シャワーヘッドはお湯の出口穴を小さくすることで水圧を確保しつつお湯の量を多く見せる役割があるからです。シャワーヘッド部分に水圧を意図的に掛けるということは、混合水栓内にも同じだけの水圧が掛かることになるので、温水側の水圧を超えた時点で逆流リスクが高まります。

逆止弁さえあれば水圧差による逆量を防げるので、シャワーヘッド交換時に節水型を選びたいなら後付けタイプの逆止弁を温水側に取り付けておけば良いでしょう。逆止弁の取り付け自体はスパナがあれば可能ですが、温水側と真水側両方共に逆止弁を取り付ければ混合水栓の高さ調整にスペーサーを使う必要がありません。

逆流リスクを防ぎつつ節水にもなるならば、節水型シャワーヘッド導入を機に混合水栓に逆止弁を取り付けてみると良いでしょう。